一定期間更新がないため広告を表示しています
メディヘン3さすらいの読書感想blog
|
from bk1
LINKS
CATEGORIES
ARCHIVES
PROFILE
OTHERS
|
冲方丁『マルドゥック・スクランブル』 美少女アクションSFの極北
本年度の日本SF大賞受賞作。今年の収穫というにとどまらず、オールタイム・ベスト級の力作と言ってもいいだろうと思う。この作品については、絶対、何か書こうと思っていたのだが、いつの間にか年末になってしまった…
マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮 posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30 冲方 丁著 早川書房 (2003.5) ISBN : 4150307210 価格 : ?693 通常2-3日以内に発送します。 マルドゥック・スクランブル The Second Combustion 燃焼 posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30 冲方 丁著 早川書房 (2003.6) ISBN : 4150307261 価格 : ?714 通常2-3日以内に発送します。 マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust 排気 posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30 冲方 丁著 早川書房 (2003.7) ISBN : 415030730X 価格 : ?756 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 3巻に分かれているが、大長編を分割したもので、シリーズものというわけではない。3巻を通じたストーリーは比較的シンプル。舞台は、戦後の混乱から回復しようとしている未来都市・マルドゥック市。元少女娼婦であるルーン・バロットは、自分を拾った男に殺されかけるが、戦時中に開発された超テクノロジーを適用され蘇る。力を得た彼女は、彼女の殺人未遂事件解決を目指す担当官の仲間となり、自分が殺されかけた理由を求めて戦い始める・・・・・・
フリッツ・ライバー『妻という名の魔女たち』
本作品、昔、サンリオSF文庫というヤツで出ていたのだけれど、買い逃して絶版になってしまい、残念に思っていたもの。今回、創元推理文庫から再刊されて良かった良かった。しかし、昔は360円だったのに、今回の版は760円(!)。文庫本も高くなったもんだ。
妻という名の魔女たち posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27 フリッツ・ライバー著 / 大滝 啓裕訳 東京創元社 (2003.11) ISBN : 448862507X 価格 : ¥798 この本は現在お取り扱いできません。 ■あらすじ 本作品は、フリッツ・ライバーという大ベテランのデビュー作。最初のバージョンは1943年に出版されたというもので、物語の背景はちょっと古めかしい。 ストーリーの舞台は、アメリカの架空の地方都市。 主人公のノーマンは、その町にある、こじんまりとした大学に籍を置く文化人類学専攻の俊英。進歩的かつ合理的な発想が売りのノーマンは、保守的な同僚達とぶつかりつつも、妻のタンジィの内助の功もあって、社会学科主任教授のイスを狙う地位を得ている。 ある日、ふと妻タンジィの持ち物を調べたノーマンは、魔術道具がたっぷりしまい込まれているのを発見。妻が「迷信」にとらわれているのが許せない彼は、タンジィに全ての道具を捨てさせる。ところが、彼が最後のお守りを焼いた次の瞬間より、これまで順風満帆だった彼の生活に逆風が吹き始める。そして、ついには、愛する妻タンジィまでが行方不明に。ノーマンは、謎の敵に勝ち、妻と自分の生活を取り戻せるか?、というお話。
佐藤和歌子『間取りの手帖』 Madoristって?
気になる本はいろいろ出るけれども、買うのに必要なのは、財布の中身とその日のノリ。多くは絶対、読みたい、というものでもないので、まあいいか、と買わずにすませることになる。いつもの本屋に立ち寄るたびに、そういった買いそびれ本がチラチラ視界に入るのだけれども、新刊購入に流されて、大抵は本屋から姿を消すままに忘れてしまうものが多い。
いつも視界に入る本の中には、「買ってくれ、損はさせないよ」と訴えかけてくるものがある。この本はまさにそれ。一度、本屋で手に取ってから、いつも横目でチラチラ見るだけだったのに、このあいだ、何となくかわずにはいられない気分になって買ってしまった。 佐藤 和歌子著 リトル・モア (2003.4) ISBN : 489815090X 価格 : ?998 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 内容は、マンションやアパートを中心に集めた間取り集。99件の間取りと一言コメント。おまけにユーモアたっぷりのコラム6件と対談(?)4件が付く。この99件の間取りの奇妙キテレツさ、面妖さが売り、という本。
神林長平『親切がいっぱい』
夏頃に買って、積読状態で放っておいたもの。
『外人部隊の女』が重かったので、軽いSFが読みたくなり、出張の際に持っていって一気に読んでしまった。 神林 長平著 早川書房 (2003.8) ISBN : 4150307334 価格 : ?630 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ この本、初出は1990年とのこと。この年は、他に『帝王の殻』『完璧な涙』『我 語りて世界あり』が出ております。 ■神林長平・著作リスト この頃の作品でも、以前・以後の作品でも、神林長平の小説に共通するのは、舞台となる世界のルール。いや、ルールというより「律」と言った方がいいのかもしれない。この世には「因果律」=原因があって結果がある、といったルールがありますが、この世界の有様を律する基本的なルールに独特なアイデアを盛り込むのが、神林ワールドの特徴だと思います。 本作品の世界を律するのは、「全ての職業(泥棒やヤ○ザも含め)を政府による免許制とする」という法律。主人公の良子は、まだ免許の対象となっていない「ボランティア斡旋業」の社員。彼女が暮らす古アパートが、地上げによる立ち退きを迫られることになり、それを阻止するべく住民たちが立ち上がる・・・というのが基本的なストーリー。これに突然、空から降ってきた宇宙人が絡みます。しかし、特に大立ち回りやドタバタになるわけでもなく、たんたんと話が進むのが、この作品の特徴。
スーザン・トラヴァース『外人部隊の女』 勇敢になりたかった女
第2次大戦中にフランス外人部隊に従軍し、戦後、レジョン・ドヌール勲章を受けた女性の手記。上記の島謙作さんの記事を読んで、面白そうだと思っていたところ、ちょうど巡回先の古本屋で発見。さっそく購入して読んで見た。
この手記、戦争小説・冒険小説・恋愛小説とも読める優れもの。紹介の方も力が入って、長くなってしまいました・・・ スーザン・トラヴァース〔著〕 / 高橋 佳奈子訳 新潮社 (2003.9) ISBN : 4105435019 価格 : ?2,100 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 この自伝の主人公であり著者であるスーザン・トラヴァースは、1909年(明治42年)生まれ。彼女の人生は概ね、第2次大戦を軸にした三部に分かれている。 第1部は、誕生から第2次大戦開戦まで。1909年に生まれた、ということがどういうことになるかというと、 第1次世界大戦終戦(1918) → 9歳、 第2次世界大戦開戦(1939) → 30歳 ということで、10代と20代が両世界大戦間にすっぽり入ってしまう。戦勝国たるイギリス軍人の家庭に生まれた彼女だが、第1次大戦後の思春期時代をカンヌで過ごすことになる。これは、退役して恩給生活に入った父が、ポンド高を活用するため、フランスでの生活を選択したため。両親は風光明媚なカンヌで優雅な引退生活を送ろうと考えたのだろうが、著者曰く、当時のカンヌは「金持ちとそれに群がる若い女ばかり」というところ。そうした環境での外国暮らしが多感な少女に良い影響を与えるわけはなく、成長して独立したスーザンは、華やかな生活にあこがれてばかりの「ふしだらな女」(これも著者曰く)になってしまう。大戦間のヨーロッパ上流社会の状況というのは、なかなか想像が及ばないところがあるが、父親に認められたい一心でテニスの腕を磨いていたスーザンは、ヨーロッパ各地のテニス大会(&パーティ)を渡りあるく生活で20代を送ることになる。 30歳となり、浮き草暮らしにも倦んできたスーザンは、フランスのとあるシャトーで第2次大戦開戦のニュースを聞く。恩義を感ずるフランスへの貢献の精神に駆られた彼女は、勇躍、フランス赤十字に参加。戦争初期にはフィンランドへ送られた彼女だったが、ナチス・ドイツのフランス占領という状況から、ド・ゴール将軍が引きいる自由フランス軍に同行、アフリカに向かう。亡命政府の軍隊であった自由フランス軍は外人部隊を中核とした寄せ集め。この部隊に同行したことが、スーザンと外人部隊の関わりの始まりとなる。 アフリカのフランス植民地を巡るうち、すっかり看護婦がいやになったスーザンは、これも父親仕込みの自動車運転の腕を活かし、ついには、中核部隊を率いるケニーグ将軍付きの運転手を勤めることになる。いつしかケニーグ将軍と恋仲になったスーザンは、部隊が待機状態の間、ベイルートで将軍と共に暮らし、既婚者である彼との別れの予感におびえながらも絆を深める。結局、部隊の前線への派遣にも運転手として将軍に同行した彼女は、自由フランス軍の曹長に任ぜられる。ドイツ軍の砲爆撃に怯えながらの塹壕暮らしにも耐えた彼女は、激戦地ビル・ハケイムでの戦いの際にも、銃弾が飛び交う戦場で車を駆り将軍の脱出を実現する。(この手記によると、パリの地下鉄のビル・アケム駅の名は、この激戦地からとられているということ) 著者の人生の第三部は、第2次大戦の終戦後。戦争中、ケニーグ将軍に尽くしたスーザンだったが、第2次大戦の終結は彼との別れをもたらす。最終的に、戦後のフランス軍の中核を担う将軍の立場を思い自ら身を引いたスーザンは、生死を共にした外人部隊への正式入隊を決意する。部隊と共にインドシナ(つまりベトナム)に赴いた彼女は、部隊の戦友と結婚。子供の誕生、スーザンの退役、夫の罹病と退役といった事件を経ながらも、人生の後半は、過去を封印して平穏な暮らしを送る。夫の死後、レジョン・ドヌール勲章を受けた彼女は、老人ホームで余生を送る中、封印を解いて本書を発表……
ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』
“なんでもありSF”<ハイペリオン>四部作で度肝を抜いてくれたダン・シモンズ。彼の作品集ということ、それに、例によってタイトルを気に入って購入。
夜更けのエントロピー posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.26 ダン・シモンズ著 / 嶋田 洋一訳 河出書房新社 (2003.11) ISBN : 4309621813 価格 : ?1,995 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 本書は、ダン・シモンズの1982年のデビュー作から、95年の作品まで7編を集めた日本オリジナル編集の短編集(大部分は再録作品)。分野としては、SFという感じではなく、どちらかというとホラーというところか。ダーク・ファンタジーという言い方が合うのかもしれない。
チャールズ・シミック『コーネルの箱』
チャールズ・シミック著 / 柴田 元幸訳 文芸春秋 (2003.12) ISBN : 4163224203 価格 : ?2,940 通常24時間以内に発送します。 私の”泣けるSFトップ10”に入ること間違い無しの名作に、ウィリアム・ギブスン『カウント・ゼロ』がある。衝撃度なら『ニューロマンサー』だが、泣ける度なら、断然、『カウント・ゼロ』。(『モナリザ・オーバードライブ』は、自分的には一段落ちる評価) その『カウント・ゼロ』の”泣ける度”大幅UPに貢献しているガジェットが、「コーネルの箱」。いや、作品のテーマからすると、主要モチーフと言うべきか・・・だいたい、『カウント・ゼロ』の話の1/3は、この「箱」を追っかけるストーリーなんだし。 「コーネルの箱」というのは、アメリカの芸術家、ジョゼフ・コーネルが作成した作品シリーズのこと。コーネルは、シュールレアリズムに影響を受け、コラージュ技法に基づく一連の「箱」を作成した。ギブスンの作品では、文明の象徴としての”ゴミ”と、そのコラージュが重要な役割を果たしており、『カウント・ゼロ』ではテーマに関わる重要なモチーフとして「コーネルの箱」が登場している 私自身は、これまで2回、「箱」の実物にお目にかかる機会があった。1回目は、軽井沢のセゾン現代美術館において。2回目は、Washington D.C.のNational Gallery of Artにおいて。いずれも、『カウント・ゼロ』にもモダン・アートにも興味0、超リアリストな同行者に配慮しなければならなかったため、じっくり鑑賞できなかったのだが・・・今となっては、「箱」を求め、歩きつかれた妻とベビーカーを引きずって、National Galleryを探し回ったのも良い思い出だが。
深見 真『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』 撃って撃って撃ちまくれ!
会社帰りに古本屋で買ったもの。おおげさに言えば一種の「奇書」というヤツかもしれない。ジャンルをSFにしたが、一般にはアクション小説に分類されるものだろう。
アフリカン・ゲーム・カートリッジズ posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.28 深見 真著 角川書店 (2002.12) ISBN : 4048734342 価格 : ¥998 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 何も無い虚空より何時でも発射できる状態の銃器を生み出すことができる「銃使い」。ストーリーは、銃使いたちと彼らを社会から排除しようとする勢力の間の戦いを描いた物語。舞台は近未来の日本(というか東京)で、概ね現実と重なってはいるものの、銃使いの存在により、政治状況などには違いがある。
マーセデス・ラッキー『宿命の囁き』
いわゆる”剣と魔法”ものです。割とお気に入りの作者なので、新刊コーナーで見つけて、即購入。
マーセデス・ラッキー著 / 山口 緑訳 東京創元社 (2003.11) ISBN : 4488577067 価格 : ¥882 通常2-3日以内に発送します。 マーセデス・ラッキー著 / 山口 緑訳 東京創元社 (2003.11) ISBN : 4488577075 価格 : ¥882 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ この作品は、剣と魔法の世界の国家・ヴァルデマールを舞台とした<ヴァルデマール年代記>という連作に含まれるもので、さらに、<ヴァルデマールの風>という三部作の第1巻となっています。 主人公は男女2名。一人は、ヴァルデマールの王女にして王位継承者であるエルスペス(上巻の表紙)。もう一人は、魔法に満ちた"ペラジールの森"を守る一族の長の息子”暗き風"(下巻の表紙)。ストーリーは、エルスペスと"暗き風"の視点が交互に切り替えられる形で進みます。 外部からの魔法による攻撃や魔法使いの侵入から守られているはずのヴァルデマール国内にいるにもかかわらず、魔法で変装した暗殺者に襲われたエルスペスは、祖国を守る力が弱まっていることに気付きます。脅威に対抗するためには強力な魔法使いが必要と考えたエルスペスは、協力してくれる魔法使いを求めて旅立ちます。お供をするのは、幼馴染の元盗賊、馬の形をした精霊、剣の師匠から受け継いだ魔法の剣”もとめ”。 一方、優秀な魔法使いであった"暗き風"は、一族に大きな打撃を与えた魔法事故の原因が自分にあると考え、魔法を捨て、森への侵入者を監視する見張り役の任についています。しかし、彼の一族の元にも、密かな脅威が迫りつつあるのでした。彼の仲間は、言葉の通じる隼、二歩足のトカゲ族、美貌の猫娘にグリフォンの夫婦。 物語は、当然、二人の主人公が出会い、共に戦い、影響を及ぼしあいながら惹かれあっていく...という風に進むわけですが、今回は、二人の出会いと、"暗き風"の一族の宿敵との戦いまで。ロマンスについては、さわりのみで今後にご期待ですし、ヴァルデマールに対する脅威の正体も本作では明らかになりません。
アメコミSFと言えば <ワイルド・カード>シリーズ
<ワイルド・カード>シリーズ
大いなる序章 上・下 Wild Cards 宇宙生命体襲来 上・下 Aces High 審判の日 上・下 Joker's Wild 編:ジョージ R.R. マーティン 翻訳:黒丸尚他 出版:創元SF文庫/東京創元社 発行年月:1992/1993/1994 ■あらすじ このシリーズは、アメリカン・コミックのTRPGで盛り上がったアメリカのSF作家たちが始めたものだそうで、共通の設定を元に複数の作家が連作する形式をとっています。その共通設定は下記の通りで、関連する年表等も用意された、歴史改変物となっています(SFのサブ・ジャンルで言えば)。 「1946年、異星人のもたらした"ワイルド・カード・ウィルス"爆弾が、マンハッタン島上空で炸裂。ウィルスに感染したものの90%は死亡、生存者の90%も"ジョーカー"と呼ばれる異形の存在に変容。残ったわずかの人々のみが、超能力を身につけ"エース"と呼ばれることとなる」 この"エース"たちが、アメコミのヒーローに相当する役回りとなり、"ジョーカー"や一般人の悪役、ひいては宇宙生命体を相手に大立ち回りを演ずる、というのが<ワイルド・カード>シリーズです。残念ながら日本では、3巻目で刊行が停まってしまいましたが、米国では昨年16巻目が刊行された人気シリーズになっているようです。
| 1 / 2 PAGES | >>
|
About this blog
tags / keywords
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
antenna
本好きPeople
|
(C) 2024 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.
|