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2008.02.06 Wednesday  | - | - | - | 

福井晴敏『終戦のローレライ』 人は変わっていくものなのね

2003年度吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞受賞、2004年度「このミステリーが凄い」第2位。2005年東宝系にて映画公開予定。最近読んだ本では、ダントツで世評が高い本かも。

“究極映像研究所”のこちらの記事で気になっていたところ、『文学賞メッタ斬り!』の巻末採点表で、大森望氏が81点という高得点を与えた上、「史上最大最強のガンダム小説。ファーストガンダムおたく必読」などと書くものだから、これは読まねばならん、と。べつにファーストガンダムおたくではないですが。(ちなみに、この手の本にあまり思い入れのなさそうな豊崎由美氏も61点(再読に値する)の評)
 
しかし、購入したのはいいものの、3ヶ月以上積読になっていて、ようやく読了。別に終戦記念日が来たから読んだ、というわけではないと思うのだが、それも少しはあるのかな。

終戦のローレライ 上
福井 晴敏著
講談社 (2002.12)
ISBN : 406211528X
価格 : ¥1,785
通常2-3日以内に発送します。

終戦のローレライ 下
福井 晴敏著
講談社 (2002.12)
ISBN : 4062115298
価格 : ¥1,995
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

昭和20年、夏。「もはや原因も定かではなく、誰ひとり自信も確信も持てないまま、行われている戦争」が継続されている日本。フランスで産まれ、ドイツを経て日本にもたらされた潜水艦<伊507>は、機密兵器“ローレライ”を携え、あるべき終戦の姿をもとめて太平洋に船出する……
■感想

大森氏の評に引っかかった身からすると、どうしてもファーストガンダム終盤と引き比べて読んでしまった。
 
始めるべきではなかった開戦があり、避けられない敗戦がある。
個々人の悲劇があり、科学技術による大量殺戮がある。
人々を結びつける“能力”があり、人々を引き裂く陰謀がある。
という意味では、まさしくファーストガンダム。

個人的には、アムロ・シャア・ララァ・セイラの複雑な四角関係がすっきり整理され、落ち着くところに落ち着いたような結末に、結構カタルシスを感じてしまった。
 
反目していた人々が共に戦ううちに結びつきを深める。大人達は過去の総括を源に最後の戦いに赴き、若者達は未来へと挑戦する。という、戦争・冒険ものエンターテイメントのパターンも、個々のキャラクターの描き込みの厚みとキレのよいアクション・シーンのおかげで、きっちり決まっている。おしむらくは、登場人物の語りに入ると、書き込みが少々うっとうしくなるところ。プロットでも十分思いが伝わるストーリーなんだから、全体がこの3/4くらいに圧縮されていたら、さぞかし強烈な作品になっていただろう、などと思わされた。
 
潜水艦が活躍する場面については、まさに小沢さとる『サブマリン707』や『青の6号』の良くできた小説版。思わず手に汗握っちゃいました。OVA版『青の6号』でも、ロレンツィーニ・システムをもっとうまく描いて欲しかったなぁ。
 
“あの戦争”を戦争を知らない世代が捉え直していく試みの一つとして、仮想戦史やアニメのテイストをうまく使った佳作とも言えるのでは。こうなると、太平洋の戦いだけではなく、大陸での戦いについても、語り直してくれる作品が読みたくなるなぁ。


あと、表紙がすばらしくて、ハードカバーで買ってよかったと思えるところも○。表紙画像では上巻の表紙は、グレーがかっているけれども、実物は南の海のきれいな翠色なのです。
 

■関連リンク

- 著者・福井晴敏氏の“オフィシャル・サイト

- 映画「LORELEI ローレライ」製作記者会見レポート、アップルによる 製作現場紹介
 
- <伊507>の元ネタである仏潜水艦Surcoufについては、海外にはいっぱい情報があるみたいですが、とりあえずWikipediaのFrench submarine Surcoouf。要目や写真、来歴がわかります。実物のSurcouf自体、かなり波瀾万丈なフネだったみたいですね。
  
- 私が読みたくなった発端の究極映像研究所さんの記事
2004.08.22 Sunday 15:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 日本SF | 

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2008.02.06 Wednesday 15:13 | - | - | - | 

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