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メディヘン3さすらいの読書感想blog
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スティーヴン・キャラハン『大西洋漂流76日間』知識と技術と心と不思議
昨年暮れに読んだ本。『エンデュアランス号漂流』、『恐るべき空白』に続く、遭難記もの。
スティーヴン・キャラハン著 / 長辻 象平訳 早川書房 (1999.5) ISBN : 4150502307 価格 : ¥756 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 著者のスティーヴン・キャラハンは、1952年生まれのアメリカ人。少年の頃からヨットの魅力に取り付かれ、ヨット設計を仕事とするほどのヨット狂となる。 小型ヨットでの大西洋横断を目標においたキャラハンは、自分用に設計した小型艇ナポレオン・ソロ号を建造。1981年の冬、ソロ号を駆って念願の大西洋横断の航海に出発する。往路は友人との二人旅だったが、復路は、当人にとって初めての大西洋単独横断となった。ポルトガルのリスボン、カナリヤ諸島で年を越したキャラハンは、カリブ海の島々を目指して単独航海を開始。 荒れ模様ながら順調に航海を続けた出航一週間後の2月4日の夜、突然の衝撃とともにヨット内に浸水。救命ボートに自家製サヴァイバル・キットを積み込むことはできたものの、そこでソロ号とわかれを告げなければならなくなった。 遭難地点は、最寄りの陸地からも主要航路からも700Km以上離れた海のど真ん中。風と海流に任せて漂流すれば、目的地であるカリブ海に流れ着くというものの、そこまでは3,000Km以上の距離がある。食料も飲料水もほとんど持たないまま、当人の言う「海の砂漠」のただ中に投げ出されたキャラハンだったが、あきらめること無く漂流を開始。サヴァイバル・キット内の原始的な飲料水製造機でわずかづつ水を作り、水中銃のモリを使って救命ボートに集まるシイラを獲る。さらに、次第に崩壊する救命ボートをなんとか修理。こうした作業を倦むことなく繰り返しつつ、忍び寄るパニックや絶望と戦いながら生き続けたキャラハンは、76日間の漂流後、漂い付いたカリブ海域で、地元の漁師に拾われ、無事生還する。 本書は、このキャラハンの漂流全76日間の一日一日を、本人が日記形式で書き記したもの。キャラハンが抱いた様々な考えはもちろん、漂流中に行った作業や、彼が工夫を凝らした仕掛け類についても図解入りで詳しく説明しており、一種のサヴァイバル・マニュアルとしても読める。
ウォルター・ウェストン『日本アルプスの登山と探検』
別に登山好きというわけでもないのだけれど、探検物の古典を読みたくなって、岩波文庫の中で目についた本書を購入。
日本アルプスの登山と探検 posted with 簡単リンクくん at 2006.12.10 ウェストン著 / 青木 枝朗訳 岩波書店 (1997.6) ISBN : 4003347412 価格 : ¥798 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 日本山岳会の結成を助け、また、日本アルプスを世界に紹介した本書を出版したことなどから、“日本アルプス”の父と呼ばれるウェストン(→Wikipedia)の日本アルプス登山記。同行の写真家の手による当時の日本の山々や、風物・人々の写真も掲載されている。 ウェストンは、明治24年〜27年の夏に計4回、日本アルプス一帯を訪れ、各地の名峰に登山した様子を記している。とりあげられている主な山々は以下の通り。
アラン・ムーアヘッド『恐るべき空白 死のオーストラリア縦断』
私が読んだのは、カンガルーの遺骸の写真(岩合光昭撮影)が印象的なハヤカワ文庫NF版なんですが、今売られているのは、下側の“ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピース”版のようです。
アラン・ムーアヘッド著 / 木下 秀夫訳 早川書房 (1994) ISBN : 4150500487 価格 : ¥777 この本は現在お取り扱いできません。 アラン・ムーアヘッド著 / 木下 秀夫訳 早川書房 (2005.4) ISBN : 4152086351 価格 : ¥2,415 通常2-3日以内に発送します。 ■内容&感想 1860年、当時未知の空白地帯だったオーストラリア大陸中央部を踏査し、大陸横断ルートを発見すべく送り出されたヴィクトリア州探検隊の悲劇を描くノンフィクション。豊富な資料を元に、探検隊員個人の運命のみならず、当時のオーストラリア社会の熱狂ぶりから探検隊遭難に対するリアクションまでを描き出した力作。 あまり有名な話ではないと思うので、内容を少し詳しく……
エリザベス・コーディー・キメル『エンデュアランス号大漂流』
シャクルトン本第3弾。
エンデュアランス号大漂流 posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.11 エリザベス・コーディー・キメル〔著〕 / 千葉 茂樹訳 光文社 (2006.7) ISBN : 4334784348 価格 : ¥620 通常24時間以内に発送します。
アーネスト・シャクルトン『エンデュアランス号漂流記』
シャクルトン本第2弾。
第1回のランシングの本と一緒に買っていたのだが、読むのは後にした。本人がカッコ付けて書いていて、第三者の評価が全然違ったら、幻滅しちゃっていやだなぁ、と思ったため。 エンデュアランス号漂流記 posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.11 アーネスト・シャクルトン著 / 木村 義昌訳 / 谷口 善也訳 中央公論新社 (2003.6) ISBN : 4122042259 価格 : ¥820 通常2-3日以内に発送します。
アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』
キム・スタンリー・ロビンスンの『南極大陸』では、南極探検黄金時代、すなわち20世紀初頭の南極点初到達が競われていた頃の南極探検の逸話が、いくつも紹介されている。『南極大陸』自体、南極圏での遭難とサバイバルがテーマの一つになっているし、また、淡々とした成功より華々しい悲劇の方が映えるということもあってか、そこで紹介されている逸話も、遭難の苦闘にまつわるものが多かった気がする。シャクルトン率いるエンデュアランス号の遭難もその一つ。
一方、最近、ビジネス関係の記事でも、ちらほらシャクルトンの名前を見かける。やはり、今の時代、大きな危難に負けなかったシャクルトンにあやかる必要があると言うことか。 そんなことから、シャクルトン探検隊の話については興味があったのだが、ちょうどそのテーマの本3冊を見つけたので、読んでみることにした。この記事は、その第1弾。 エンデュアランス号漂流 posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.11 アルフレッド・ランシング〔著〕 / 山本 光伸訳 新潮社 (2001.7) ISBN : 4102222219 価格 : ¥820 通常2-3日以内に発送します。
大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!リターンズ』
楽しませてもらった『文学賞メッタ斬り!』の続巻が出るということで、当然購入。
文学賞メッタ斬り!リターンズ posted with 簡単リンクくん at 2006. 9. 6 大森 望著 / 豊崎 由美著 パルコ (2006.8) ISBN : 4891947411 価格 : ¥1,680 通常24時間以内に発送します。 ■内容 前作『文学賞メッタ斬り!』は、分野毎に主要文学賞を網羅するという難行偉業にチャレンジしていたこともあって、本文357pで14ラウンド(章)構成という、ちょっと忙しい作りになっていた。今回の『緑メッタ』は、同程度の厚みで以下の5ラウンド構成。1ラウンド1ラウンドが重厚になった印象。 ROUND1:島田雅彦・大森望・豊崎由美による公開トークショー ROUND2:名物「主要文学賞の選評、選考委員」レビュー対談 ROUND3:30歳以下の有望新人作家紹介対談 ROUND4:島田・大森・豊崎による“Z文学書選考会実況中継”と芥川賞・直木賞選考結果へのコメント対談 ROUND5:「W杯方式」による第1回文学賞メッタ斬り!大賞選考結果発表 付録「文学賞の値打ち(文学賞受賞作品一言レビュー集)」も'04年〜'06年の3年分をカバーと言う大増量で健在。
W. H. ハドソン『ラ・プラタの博物学者』
中学生か高校生のころ読んで、ずっと本棚に並べていた本。
本棚を眺めているうちに、突然思い立って、約20年ぶりに再読。 ラ・プラタの博物学者 posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.19 ハドソン著 / 岩田 良吉訳 岩波書店 (1979) ISBN : 価格 : ¥683 この本は現在お取り扱いできません。
ピーター・アトキンス『ガリレオの指』
昨年末の発刊時、「科学の華々しい成果を1冊に凝縮」という惹句にひかれて買ったもの。その割には積読状態になっていて、ようやく読了。
ピーター・アトキンス著 / 斉藤 隆央訳 早川書房 (2004.12) ISBN : 4152086122 価格 : ?2,940 通常24時間以内に発送します。 ■内容 印象的なタイトルは、問題の抽象化・単純化という技法と検証可能性の重視という態度により、現代科学はガリレオから始まったと言える、という考えからとられたもの。ガリレオ以来の科学者たちが成し遂げた成果を、10の分野について紹介する科学解説書。
大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』
大森 望著 / 豊崎 由美著 パルコ (2004.3) 通常24時間以内に発送します。 ■内容 SF翻訳家・大森望氏とライター・豊崎由美氏(肩書きはカバー折り返しの著者紹介より)が、小説ジャンル全般に渡る各種文学賞の最新の授賞状況を巡り対談を繰り広げる。それだけだと、そもそもなんで単行本になるの?という感じだが、芥川賞・直木賞からミステリー、SF関係の賞まで、拡散した小説ジャンル全体の状況を「文学賞」という切り口で切り取ったアイデアに価値がある。 全体が14の章(ROUND)からなる。おおむね以下のような、三部構成となっている。 導入部は、芥川賞をはじめ、いわゆる「文学」系の文学賞(ROUND1?4)。続いて、現在好調(なんですよね?)で 境界的な作品も多いミステリー関係(ROUND5?9)。終盤は、ファンタジー、SFに触れた後、名誉賞的な賞に言及し、ラストを地方文学賞に充て、「文学賞甲子園」でオチとなる(ROUND10?13)……はずが、出版時期が芥川賞・直木賞発表直後となったということで、オーラスROUND EXは今年の両賞受賞作に関する電話対談で幕。
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